更年期と髪の変化|ホルモンバランスが崩れたときのヘアカラーとケアのポイント
公開日:2026-04-13
更新日:2026-04-13
監修:キレイ鶴見店 カラーリスト
10年以上のキャリアを持つカラーの専門家。オーガニックカラーを中心に、頭皮と髪の健康を守りながら美しい髪色を提案することをモットーとしています。
更年期と髪の変化|ホルモンバランスが崩れたときのヘアカラーとケアのポイント
横浜・鶴見のサロン「キレイ鶴見店」でいつものように鏡を前にした小林ひとみさん(58歳・自営業)。「最近、カラーが前みたいに入らなくなって…染めてもすぐ色が抜けちゃうんです」と表情を曇らせる。実は、小林さんのような悩みは40代後半から急増する。カラーリストとして18年のキャリアを持つ山本さんによれば、「更年期に入ると髪質が大きく変わる方が本当に多い。でも、きちんとポイントを押さえれば、年齢を重ねた髪だからこそ楽しめるカラーがあるんです」とのこと。今回は、ホルモンバランスの変化が髪に与える影響と、それに合わせたヘアカラー・ケアの方法を徹底解説していきます。
更年期に起こる「髪質の大変化」、その正体とは
「正直言って、50代になってから髪が別人みたいに変わりました」と小林さん。実際、更年期のホルモンバランスの変化は髪に劇的な影響を与えます。
エストロゲン(女性ホルモン)の減少により、髪の成長サイクルが乱れ、髪は細く、コシがなくなっていきます。山本さんが毎日サロンで見ている変化として挙げるのが「髪の乾燥」「うねり」「白髪の増加」の三大変化。「特に鶴見エリアのお客様で多いのが、以前はストレートだったのに急にうねりが出てきたという相談です。これ、実は髪の水分保持力が落ちているサインなんです」。
さらに、髪内部のタンパク質構造も変化します。若い頃はしっかり詰まっていたキューティクルが開きやすくなり、カラー剤が浸透しにくい、または逆に入りすぎてダメージにつながることも。「意外かもしれませんが、50代の髪は10代20代の髪より繊細。同じ施術でも反応が全く違うんです」と山本さんは説明します。
小林さんも「そういえば、最近ヘアアイロンの温度を上げても、スタイリングがすぐ崩れるんです」と実感。これも水分量低下による髪の柔軟性不足が原因。更年期の髪は、表面だけでなく内部構造から変わっているのです。
「カラーが入らない」「すぐ退色する」のはなぜ?
小林さんの最大の悩みである「カラーが入らない問題」。実はこれ、更年期女性の7割以上が経験している現象です。
原因は主に二つ。一つ目は、先ほど触れたキューティクルの状態変化。健康な髪はキューティクルが規則正しく並んでいますが、加齢とともにこれが乱れます。「鶴見店に来られるお客様の髪を顕微鏡で見ると、キューティクルが剥がれかけていたり、バサバサに開いている状態が本当に多い」と山本さん。
二つ目は、メラニン色素の変化。白髪が増えるということは、髪内部のメラニン色素が減っているということ。この色素がカラー剤の定着に重要な役割を果たしているため、白髪が増えるほどカラーが入りにくく、かつ退色も早くなります。
「以前は2ヶ月もったカラーが、今は3週間で色が抜ける感じです」という小林さんの実感は、まさにこのメカニズムによるもの。さらに、更年期特有の「髪の乾燥」も退色を加速させます。乾燥した髪は、水分と一緒に色素も流出しやすいのです。
正直なところ、若い頃と同じカラーリングでは対応できません。だからこそ、年齢に合わせた「染め方の転換期」が50代なのです。山本さんは「むしろチャンス。今までできなかったカラーにも挑戦できる年代ですよ」と前向きに話します。
58歳・小林さんが選んだ「髪質改善カラー」の実力
そんな小林さんが山本さんの提案で試したのが「髪質改善カラー」。通常のカラーとは一線を画す、この施術の秘密に迫ります。
「最初は半信半疑でした。でも、仕上がりを見て本当にびっくり」と小林さん。髪質改善カラーの最大の特徴は、カラー剤に髪の補修成分を配合している点。従来のカラーが「髪を傷めながら染める」のに対し、髪質改善カラーは「補修しながら染める」という逆転の発想です。
山本さんが使用するのは、ケラチンやコラーゲン、セラミドなどの保湿・補修成分を高濃度で配合したカラー剤。「横浜エリアでも取り扱っているサロンはまだ少ないんですが、更年期世代には本当におすすめです」。
実際の施術では、まず髪の状態を丁寧に診断。小林さんの場合、根元は健康だが毛先に向かって乾燥とダメージが進行していたため、根元と毛先で薬剤の配合を変える「カスタマイズ施術」を実施。これが重要なポイントです。
「一本一本の髪の状態は違うので、均一に染めるだけでは美しく仕上がらない。特に50代以降の髪は、パーソナライズが必須です」と山本さん。施術時間は通常カラーより30分ほど長くなりますが、「その価値は絶対にあります」と小林さんも太鼓判。
仕上がった髪は、色の発色が良いだけでなく、ツヤとまとまりが驚くほど向上。「美容院帰りの髪が1週間続く感じ」という小林さんの言葉が、この施術の効果を物語っています。
更年期世代が選ぶべきカラーの「色選び」の鉄則
さて、髪質改善カラーの良さは分かったけれど、「何色を選ぶか」も大きな悩み。年齢とともに似合う色は確実に変わります。
山本さんが鶴見店で実感しているのは、「40代まで似合っていた色が、50代では急に合わなくなる現象」。これは肌のトーンが変化するため。更年期に入ると、肌の黄みやくすみが強くなり、髪色とのバランスが崩れやすくなります。
「意外と知られていませんが、50代以降はブラウン系よりもベージュ系やグレージュの方が肌が明るく見えるんです」と山本さん。小林さんも以前は濃いめのブラウンを選んでいましたが、今回は明るめのグレージュにチェンジ。「周りから『若返った?』って言われて嬉しかった」と笑顔を見せます。
実は、白髪の量によっても最適なカラーは変わります。白髪が全体の30%以下なら、明るめのブラウン系でも対応可能。30〜50%なら、白髪をぼかすベージュ系が優秀。50%以上なら、いっそ明るめのグレー系やシルバー系で「白髪を活かす」選択肢もあります。
「正直、白髪を完全に隠そうとすると、どんどん暗くて不自然な色になってしまう。それより、白髪と上手に付き合う色選びが、この年代のカラーリングの成功ポイントです」。山本さんのこの言葉に、小林さんも深く頷いていました。
色持ちの面でも、グレージュやベージュ系は優秀。退色しても黄ばみにくく、プリンが目立ちにくいのです。
自宅でできる「カラー長持ちケア」の新常識
サロンで美しく染めても、そのままでは意味がない。自宅ケアこそが、カラーの美しさを保つ最大のカギです。
小林さんが山本さんから教わったケアの第一歩は「シャンプー選び」。「実は今まで、ドラッグストアで適当に買ってました」という小林さん。多くの方が同じではないでしょうか。しかし、更年期の髪には専用のケアが必要です。
山本さんのおすすめは、アミノ酸系シャンプーとカラー専用トリートメント。「市販の高洗浄力シャンプーは、カラーした色素を一緒に洗い流してしまうんです。特に鶴見エリアは硬水傾向なので、シャンプー選びは重要」。
洗い方にもコツがあります。熱いお湯はNG。38度程度のぬるま湯で、頭皮を中心に洗うこと。「髪の毛自体は、お湯で流すだけで7割の汚れが落ちます。ゴシゴシ洗うと、キューティクルが開いて色が抜けやすくなるんです」。
小林さんが特に効果を実感したのは「洗い流さないトリートメント」。タオルドライ後、毛先を中心につけることで、ドライヤーの熱から髪を守り、カラーの退色を防ぎます。「朝の髪のまとまりが全然違う。もっと早く使えばよかった」と後悔の言葉も。
さらに、週に1〜2回のヘアマスクも効果的。カラーリングで開いたキューティクルに栄養を補給し、色素の流出を防ぎます。山本さんは「自宅ケアをきちんとするお客様は、カラーの持ちが1.5倍違います」と断言。
ドライヤーも低温モードを使用し、最後に冷風で仕上げる。これだけで、キューティクルが引き締まり、ツヤと色持ちがアップするのです。
美容師が語る「50代からのカラーで絶対NGなこと」
最後に、山本さんが「これだけは避けて欲しい」と強調するNGポイントをご紹介します。
まず第一に、「頻繁なセルフカラー」。「分かります、伸びてきた根元が気になる気持ち。でも、市販のカラー剤は染まりやすくするために薬剤が強めに設定されているんです」と山本さん。特に更年期で弱っている髪には、ダメージが蓄積しやすい。
小林さんも以前はセルフカラーをしていたそう。「美容院代を節約しようと思って。でも、結局髪がボロボロになって、余計にお金がかかりました」という失敗談を共有してくれました。
二つ目のNGは「暗すぎるカラー」。白髪を隠そうと黒に近い色を選びがちですが、これが逆効果。「肌のくすみが目立ち、老けて見えてしまう。50代以降は、むしろ明るめの色で顔周りを明るくする方が若見えします」。横浜エリアのお客様でも、暗いカラーから明るめに変えた途端、周囲の反応が変わったという声が多いそうです。
三つ目は「パーマとカラーの同時施術」。「若い頃はできても、更年期の髪には負担が大き過ぎます。最低でも2週間は空けてください」。髪の体力を考えた計画的な施術が大切です。
そして最も重要なのが「担当美容師を決めないこと」。「髪質の変化が激しい年代だからこそ、継続的に髪の状態を見てくれる美容師が必要。毎回違う美容師では、最適な提案ができません」と山